体調を崩したら

☆NHSについて☆

 イギリスでは、病院に行くのにお金はかかりません。全て税金でまかなわれています。そういう医療システムのことをイギリスでNHSと呼び、いい意味でも悪い意味でもよく話題になります。日本人がNHSを無料で利用できるかどうかはVISAによるので、ご自身のVISAを確認してください。(ちなみに私の場合はNHSを利用できる代わりに、VISAを取るときに追加で10万円弱払わされました)

 引っ越したら、まず地域のGP(診療所)を探して、そこに登録してください。病気の時に頼りになるし、妊婦検診も子どもの予防接種もそこのGPで受けることになります。(出産は別。出産は施設の整った大きな病院を紹介されます。または家で産むか。)

 NHS以外に、Private Hospitalという選択肢もあります。私はほぼ使ったことがありませんのでコメントできません。ただ、ロンドンの日系病院に「3か月咳が止まらない」という理由で一度だけお世話になった時、結局タダのアレルギーだったのですが、保険に入ってなかったため診察に5万円以上かかってショックでした。


☆風邪をひいたとき☆

 さて、子どもまたは自分が風邪をひいたとき。日本のような感覚で地域のGP(診療所)に行っても門前払いされます。なぜなら、「風邪に出す薬はないから」。「病院でできることがない。Boots(マツキヨみたいなもの)でParacetamol(イギリス人がいっつも使う薬の名前)買って寝とけばいいでしょ」と普通に言われました。受付のオバサン、ぶっきらぼうすぎです。悔しいけど、よくよく考えてみれば本当にその通りです。ただの風邪なんだから…。

 ちなみに日本であんまり浸透してないようですが、抗生物質は風邪に効果がありません。風邪に抗生物質を処方することで、耐性菌が増えて社会問題となっています。これ、イギリスで啓蒙活動が盛んなTOPICの一つです。

薬剤耐性菌について

 では、風邪(頭痛・発熱の類)をひいたら何の薬を飲めばいいのか。うちの場合はこうした、という例を書きます。

1.Bootsなどの薬局か、普通のスーパーに行く。

2.大人はParacetamolかIbuprofenの錠剤を買って飲む。ビタミンCをとる。

3.子どもは甘いシロップのCalpolNufofenを買って飲ませる。(Nurofenのほうがキツイ。最初はCalpolがおススメ)ビタミンCをとらせる。

4.寝る。

5.咳をしてても、出かけるときはマスクをしない。(誠に残念ながら、快く受け入れられない現状があります)

 ちなみに、日本人は風邪の時の食事はおかゆが定番ですよね。イギリス人は何だと思いますか?・・・トーストです。


☆お腹の風邪の場合☆

 冬になると保育園や小学校で、お腹の風邪がよく流行ります。英語でwinter bugとかtummy bugといいます。かかったら、どうしようもありません。ひたすら体外に排出するのみです。

 イギリス人の友人医師によると、tummy bugにかかったら水分以外とらず、断食が一番いいとのこと。そして、少し良くなったら植物性の物だけ食べて、完治したら肉類も食べていいそうです。日本で重宝するポカリは、類似品含めてこっちではその辺には売っていません。いざというときのためにアジア系スーパーでポカリの粉を買って、家にストックしておくのがいいと思います!


☆症状がひどい場合☆

 GPで門前払いされるとはいえ、命に危険がある場合は救急車を呼ぶか(999)、NHSの電話相談にかけるか(111)、どっちかしたほうがいいと思います。私は一回息子が41度の高熱を出したときに111に電話しました。お姉さんが電話口でマニュアル通りの質問(息はしていますか、脈はありますか、等)を10分ほど延々とした後、一応事情を聞いてくれて、近くの大病院のA&E(救命救急センター)の利用を許可してくれました。

 A&Eは、待ち時間が長いことが社会問題になっていますが、子どもの場合は迅速に対応してくれた経験しかありません。ただ、先ほどの41度の発熱の時は、やはり「風邪で病院にできることなし」のスタンスなので、色々検査されて「異常なし」で家に帰っただけでした…。こんなんだったら家で寝かせてたらよかった。41度の息子を連れまわしただけに終わった罪悪感でいっぱいでした。


☆風邪以外の理由で病院に行きたい時☆

 風邪以外だったら、GPも普通に診てくれます。でも、GPに耳鼻科や眼科等の設備が整っているわけではないので、必要があれば大病院の予約を入れてもらうことになります。それが2か月後とかの場合も。しかも、こっちの予定関係なく、日時勝手に指定されてびっくりです。

 でも、その日のうちに解決することも多々あります。乳腺炎(mastitis)の時は、薬を出してもらってすぐ治ったし、子どもの腕の軽い脱臼(pulled elbow)はその場でA&Eに行くように紹介状を出されて、その日のうちにA&Eに行って治りました。


☆まさかのシラミ事件☆

 うちの子たちは、保育園でまさかのシラミ(head lice)をもらってきました。シラミなんて昔の話だと思って全然知らなかったけど、すごい感染力。家族全員、瞬く間に頭がかゆくなりました。そして、お風呂に入ると湯船の中に虫がたくさん浮いてきて(ギャー)…慌てて薬と専用シャンプーを購入しました。調べてみると、日本で売ってるものより強い薬で、卵含め一発退治できました。イギリスではよくあることのようです。




イギリス子育ていろいろ

これからイギリスで子育てされる方へ。 はじめまして。千葉の幼児英語教室、Robin English House主宰のYukaです。 私は2人の子どもをイギリスで産み、子どもと一緒に3年暮らしました。 これから住まわれる皆様が、楽しいイギリス生活を送れますように! ネタバレしすぎない程度に、おススメスポットやお役立ち情報を紹介します。